2020年6月4日木曜日

味噌の効能-那須味噌の須藤醸造店.Vol.001

手仕事専科では、伝統食品を紹介しています。
伊王野村の昔からの麹やさん、須藤醸造店です。

栃木県の那須郡那須町大字稲沢が、私の生まれた小村です。
黒川と那珂川が交わる寒井への294号線沿いで、数軒の駄菓子屋や自転車やがあるおおよそ80戸の農村です。
小字では、10戸前後が部落となり山間に点在していました。
私の住んでいた小字は、膳棚といい黒川の支流となる合川が流れそれを挟んで農家5軒程が田畑をもち農業を営み、それぞれに上、茂さんち、新宅、お鉄さん宅、下と呼ばれていました。
私の家は、上です。
結の作業では、二つほど山を越えた平家の落人といわれた那珂川沿いの矢組部落と一緒でした。そうすると16軒程になります。
萱屋根の葺き替えや道路の普請では、その部落の人達が、女性も含めての寄り合い作業に当たりました。
女性陣は、炊き出しやお茶だしの準備で賑やかになります。
作業の途中では、炊き出しで完成した日には宴会になりました。
子どもの頃はそれが楽しみで大人の作業の合間に子ども同士が集まり遊んでいました。

田舎育ちの自分は、子どもの頃に醤油や味噌を作る光景を覚えています。
稲沢部落の隣は東山道伊王野の宿として知られる伊王野があります。
歯医者や医者、役場、映画館、クリーニング店、商店、金物店、呉服店、魚屋、書店や数軒の製材所などがあり、近在の農村から買い物に来る中心都市でした。
中学校もそこにあり、砂利道の7kmの距離を自転車で通いました。
那須味噌の麹やさんは、そこにありました。
そこは歴代私の家とお付き合いがあり、祖父同士が仲良く、叔父も同級生の女性が居て婿に臨まれ、私も同級生の女性が居り、中学では二人そろってクラスの学級委員をしていました。

それは、小学生の頃だったでしょうか、醤油をつくるのに麹やさんが、リヤカーに圧搾機を積んできました。祖父が元気な頃です。大豆を巨釜で茹でそれを圧搾機で絞り、大きな樽に貯め土蔵に運んでいました。
作りたては、そのままでは早すぎて使えません。
半年くらいは、寝かせ熟成させたでしょうか。
それと一緒に味噌も大樽にいくつも作っていました。
樽は、5斗樽位でしょうか。
小さな樽には、胡瓜や茄子、人参、生姜、紫蘇の実なども袋に入れて付けていました。
たまり漬けです。
これが、美味しくて都会からくる従妹達の大好物でした。
もちろん、私もです。
観光地で売られている漬物の比ではありません。
添加物を含まない本物の味です。
そんな樽が土蔵には並んでいたでしょうか。
味噌部屋という言葉もありますが、その湿気った味噌醤油の匂いは、記憶に残っています。

天然醸造、本醸造という言葉を聞きます。
市販されている味噌醤油とどう違うのでしょうか。
説明書きによるとこうあります。
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天然醸造(てんねんじょうぞう)という造り方はお味噌を加温しないでお味噌を熟成させる方法です。お味噌が千何百年以上もはるか昔からずっと守られ仕込まれている製法です。
日本の移りゆく四季をお味噌が感じながら、ゆっくりと熟成していきます。
化学調味料、着色料、保存料を使用せず、素材を生かしたおいしさです。市販の味噌の多くは速醸(そくじょう)という製法で作られています。具体的には仕込んだ味噌に熱を加えて、早い段階で発酵させて味噌にする方法です。このやり方だったら大量に生産する事は可能です。しかし、味や香りは決して納得できる味にはなりません。
市販では、発酵を進めないために菌を殺す必要があります。
ガスがたまった商品は、お店では廃品となります。
滅菌は、一般的には熱を加えて熟成を止める方法となります。
味も香織もなくなります。
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[味噌の効能]
こちら
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須藤醸造店の味噌は、本醸造の田舎味噌です。
道の駅で求められて、あまりの美味しさから、websiteで探しご注文となります。
こちらからご覧ください。
須藤醸造店 http://tesigotosenka.com/nasumiso.html
手仕事専科 http://tesigotosenka.com/

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